
2026年3月発売 92巻1号(2026年冬号) 目次
特集 たがための農林業
──多様な生きものとの共生が生み出す価値
田村典江+坂本清彦+鎌田磨人+秋津元輝 責任編集
人間中心主義で自然を利用するだけの農林業は地球環境に深刻な影響を与え、気候変動等の危機を招いている。しかし本来の農林業は、自然と人間とのあいだに位置する営みであり、そこには経済的価値を超えた意義と価値が存在する。こうした考えに共感し多様な生物と共生する農林業がいま増えつつあり、そこでは利益を求めつつ“他がために”営む思いが見られ、またその実践は「農林業は“誰がために”あるのか」との問いを投げかけてもいる。本特集ではこうした実践を新時代の主流となる農林業と位置づけて、その意義を掘り下げ、可能性を検討する。
■特集 たがための農林業
──多様な生きものとの共生が生み出す価値
……田村典江+坂本清彦+鎌田磨人+秋津元輝 責任編集
■Ⅰ 多様な生きものとの共生のうちにある農林業
●1 いま、なぜ「たがため」の農林業を問うのか
──人新世を生き延びるための農林業再考……田村典江
●2 環境人文学におけるマルチスピーシーズと「more-than-human」思考の動向
──生きものと向き合う農林業の未来を考える……ルプレヒト・クリストフ
●3 あなたが生きものであることを学ぶ農業
──小学校農業科の取り組み……中村桂子
▪コラム1 「農業が農業である」ことを「生命誌論」から考える
──守田志郎・宇根豊による「農の思想」の現代的意味……西川芳昭
▪コラム2 有機農家グループ「TAGATAME」の共生型有機農業
──持続可能なオーガニックの町を目指して……岡本菜那・小泉沙耶
■Ⅱ 生きものの視点から見る農林業
●1 豚の身になって考える相互依存の食世界
──耕作放棄地に豚を放つ実践から……秋津元輝・氏本長一
●2 対話に基づく在来知と科学知の連携が拓く農業の持続可能性
──遅れてきた田んぼ研究者のフィールドノートから……大塚泰介
●3 日本の農業とともにあるミツバチを含む多様な生態系のつながり
──ポリネーターと蜜源植物の視点から考える……眞貝理香
●4 多様な微生物との共存・共生による持続可能な農業
──「見えないパートナー」の機能と可能性……木村重光
▪コラム3 人間と昆虫の協働としてのIPM
──天敵を活用した総合的な害虫管理の仕組み……長坂幸吉
▪コラム4 滋賀県「魚のゆりかご水田プロジェクト」による
地域社会のレジリエンス向上
──機能を再構築するプロセスがもたらす価値……金尾滋史
■Ⅲ 森林利用と林業の新しい姿
●1 森林サービス産業という新たな枠組み
──森林空間の価値を開く林業経営の可能性……高山範理
●2 新たな森の利用者たちが促す地域活性化と多業種展開
──四つの事例から読み解く方向性と可能性……平野悠一郎
●3 山菜・きのこが森の恵みであり続けるために
──森林や住民との関わりへの着目が拓く可能性……齋藤暖生
▪コラム5 森のようちえんの森林利用
──「自然の中に共にあること」を感じる保育……丹羽英之
■Ⅳ「人間以外」を含めた地域の取り組み
●1 コウノトリの飛来が変える地域の暮らし
──生きものを冠したローカル認証を媒介とした
制度的増幅の可能性……大元鈴子
●2 棚田や段畑の石積みを通じた生物多様性への貢献
──価値と技術を広めてつなぐ「石積み学校」の経験から……真田純子
●3 地域住民と生物多様性の相互作用による農業・土地利用の形成
──高知県梼原町の農地維持と地域資源循環の仕組みに学ぶ……新田直人
▪コラム6 土を育てて作物を育てる
──農を人の手に取り戻す有機農業……高谷裕一郎
■連載 世界の食と農をめぐるシステム転換
■連載 ポスト・コロナ時代の食と農と地域を支える──担い手たちの群像
■連載 ブックガイド──農と食を読む
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